見つけたのは内側の花畑、この春には庭にも花々が
- 2019.08.07
- コトバでつながる
- わたしが見つけた内側の世界
コトバでつながる「わたしが見つけた内側の世界」。施術家としてスタートしてから、ずっと家族ぐるみのお付き合いをさせていただいている玲子さんが、さっそくコトバを紡いでくだいました。
「えこひいきの石」に釣られた割には(笑)、ジーンとくる素敵な文章です。
ALSを患っている好則さんは、呼吸器をつけコトバを話すことができませんが、微細な表情、目の輝き、カラダのさまざまな信号、いわば全身で語れぬコトバを発しています。
内面の世界に咲いた花が、現実に花を咲かせる。玲子さんが手をかけはじめたお庭はどんどん豊かになり、お伺いするたびにあまりの見事さにびっくりします。コトバを紡ぐ、コトバでつながる。玲子さん、ありがとうございます。
長いおつきあい、わたしからの振り返りも寄せています。
コトバを紡ぐ、コトバでつながるシリーズ「わたしが見つけた内側の世界」
見つけたのは内側の花畑、この春には庭にも花々が
2019年8月5日 #02 茂田井 玲子
ボディートーク に出会ったのは2014年11月。今から5年近く前になる。祝里さんがボディートーカーになったばかりの頃。ALSという病を得た夫と4人の娘たちを抱え、厳しすぎる現実の荒波の中で溺れかけていた時だ。
私にとって外側の世界が全てで、目の前のことをこなすのが精一杯。心もカラダも疲れきっているのに、それにも気づけないという状況だった。当然、自分の内側はスッカスカで、自分が誰なのか、何が好きなのか、何をしたいのか、全くわからなかった。
そんな私に祝里さんは言った。「まずは自分のためにお花を買ってください」と。
ハッとした私はさっそく、ピンクの花びらがフリル状になっている可愛らしいシクラメンの鉢を買った。自分のための一鉢の花が嬉しくて、久しぶりにワクワクしたのを覚えている。それから、一日に何度もその花を眺め、ふわっとした温かい感覚になったものだ。
思い出してみると、その頃から私の内側には小さな小さなお花畑が存在するようになった。その後、定期的に花が届くサービスを利用し始めた。こんなのがあったらいなーと思って調べてみたら、ぴったりのものが見つかったから。
季節の花が届くので、わが家にはいつも花が咲いているようになった。私ははりきって、自分なりに素敵に飾ってみた。
同時に、私の内側にあるお花畑は、どんどん大きくなっていった。いつの頃からか、それは具体性を帯びたものとなり、バラと草花でいっぱいの癒しの空間となっていった。
去年の秋、ついに実際の「私のお花畑」づくりを開始!!
庭の土を耕し、土作りから始め、内側にあるお花畑のイメージを再現しようと研究を重ねた。もう楽しくて楽しくてたまらなかった。時間があれば、植物について調べたり、庭で土いじりをしているようになった。
5年近く祝里さんと三人四脚で歩んできて、あれほど大変で苦しかった現実は、以前に比べると穏やかでゆとりのあるものになった。
夫の状態も、緩やかではあるけれど確かに治癒の道を進んでいる。
先日、満面の笑みの元気な夫の写真が突然出てきた。写真が嫌いだったので笑っているものがほとんどないのだが、これはびっくりするほどの笑顔だった。
なにかいいことがありそうな予感。
この春から、私の庭のお花たちは見事に咲いてくれている。憧れのバラも美しく咲き、喜びで心が震えた。
内側のお花畑に近づいてきたよ!
まだまだ日々の大変さはあるにしても、世界は優しくて温かいなぁ・・こんなふうに感じる今日この頃である。
来年はもっと・・
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