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「体のしくみとはたらき」 #1 外皮系 – 境界のバランス

「体のしくみとはたらき」 #1 外皮系 – 境界のバランス

前回は、外皮系(皮膚や髪)の乾燥による症状や、施術でのアプローチ例を書きました。
ここでは、乾燥(水不足)とは真逆の、水の滞りが起こす外皮系のメッセージについてご紹介します。

水の滞りというと「浮腫(むくみ)」が思い当たります。
それ以外にも、どこで滞るかで、さまざまな症状に変化します。
鼻にいけば鼻炎、肺にいけば喘息、大腸にいけばお腹を下します。
エネルギーや血流も詰まらせるので、関節炎やメンタルの不調も招きます。

全体的に症状が出やすい、いわば不定愁訴となりやすいパターンです。

この時、外皮系はどんな意識でいるでしょうか。
乾燥の場合、外皮系は「環境と応答できない」と言いたがっていました。
水滞の場合、外皮系は「守るべき境界が保てない」と言いたがっています。

気温が暑すぎる、寒すぎる。
食べすぎる、飲みすぎる。
人との境界を保てず、影響を受けすぎる。
免疫が弱くなる、または過剰に反応してしまう。

こう書き出すと辛すぎてたまったものではないですね。
しかし、境界が犯されるということは、自己を保てなくなるので、外皮系は盛大に症状を出して、変化を促します。

アンバランスな意識の言いなりになると、人を遠ざけようとして、頭や体を重だるくし、鼻をつまらせ、出不精になる傾向があります。
境界が保てないから、鎖国しようとするわけです。

もし、この不定愁訴の持ち主がRPGゲームの主人公なら、新しいステージの入り口に立っています。
まだ装備もなく、知識もなく、仲間も見当たらず、未来だけがあります。
スタートするかどうかも含めて、決めるのは「自分」です。

スタートを決めたなら、ボディートークのセッションは力強くその後押しをするでしょう。
まず、境界を脅かしてくる環境(人も含めて)への恐れや怒りを腎臓から解放します。

次にフォーカスすることも、とてもシンプル。
「目の前にあって、使えそうなものを使う」です。
RPGゲームの最初ですからね。まずはやってみる感じで。

脳のエネルギーが詰まり、鬱々としていると、自分が何を手にしているかに気づけない状態にあります。
手や足に意識を向けてみましょう。それだけで感度があがります。

今、何に触れているか。
棒きれでも布切れでもいいのです。
何かハードルや障害を感じたら、その場所やその考え方は、間違っています。
最初の一歩は、とてもイージーな場所にあります。

次の一歩は、どこか。

そんなふうに考えをめぐらせていくと、「水つまり」「手詰まり」「境界がグダグダ」な状態に、新しい風が吹き込んでくるでしょう。